夢を抱け北陸中で見つける夢、広がる未来。
vol.15北中の学びが活きた学校新聞。
将来は、本に関わる仕事をしたい。

PROFILE
北高1年のとき、休部だった新聞部を同好会として復活。昨年12月に『福井県学校新聞コンクール』で優秀賞を受賞し、「文化部のインターハイ」と呼ばれる全国高等学校総合文化祭(総文)への出場権を獲得。現在7人の部員で北高新聞を発行している。

—北陸高校に新聞同好会を復活させた経緯を教えてください。
齋藤:北高には数年前まで新聞部があったらしいのですが、私たちが高校に進学したときは休部状態でした。2人とも入りたい部活が見つからず、個人的にボランティア活動とかはしていたんですけど、周りのみんなが部活に入っているのを見て、この状況はどうかなぁと思っていたんです。

鈴木:結局高1の夏までどちらも部活に入らなくて、気持ち的に焦っていたんですね。そんなときに、北中で担任だった田上先生から「新聞同好会をやってみないか」と言われ、やってみようってなりました。顧問は田上先生で、部長と副部長はクジで決めて(笑)、10月位に正式スタートした感じです。

—新聞同好会では、どのような活動をされているのですか。
鈴木:主に、行事やスポーツ大会などの実績をまとめた学校新聞を月1回程度発行するのと、『新聞切り抜きコンクール』などのコンクールに参加しています。学校新聞では、今月あったことやニュースを先生と一緒に集め、写真は学校のホームページから探して掲載の許可いただいて、こんな内容やタイトルにしようって決めていきます。編集後記の『たまゆら』は、そのときの担当者が書いています。

齋藤:部員で役割分担するというより、月ごとに担当するところが違ってくる感じです。私たち2年生の場合は、記事を書く人と『たまゆら』を書く人で分けています。『たまゆら』は「一瞬の」、「瞬間」という意味で「玉が響く」って書くんですけど、その響きが好きでコラムの名前にしました。

—新聞同好会復活1年目に、『新聞切り抜き作品コンクール』で入選されていますね。
鈴木:「誰もが生きやすい世の中に」をテーマに、実際に夏にボランティアに行った経験を活かしてふたりでまとめました。ただ記事で読むのではなく、児童福祉施設に行って現場を経験して感じたことを、『新聞切り抜き作品コンクール』でもう一度取り上げられたらいいなと思ったんです。

齋藤:部員はまだ2人だけで、6時間位ぶっ続けで新聞の切り抜き新聞を作っていくのが大変でした。新聞の見出しを選んだり、記事の要約と感想を書いたり、もう毎日修羅場だったよね(苦笑)。

鈴木:そう!種類別に分けて、まとめてっていうのが、本当に大変だった(苦笑)。

—夏のボランティア活動は、同好会を立ち上げる前に経験したものなんですね。
齋藤:障がいのある児童が利用している福祉施設にお邪魔したんですけど、施設に行く前は気を張っていろいろ不安でした。でも、行ってみるとみんなすごく慕ってくれて、一緒に遊んで、最後も手を振ってくれたりして、障がいがあるからという先入観はあまり持たない方がいいんだなと感じました。

 鈴木:障がい者と私は違うところがあるのかなと思っていたけれど、仲良くなれるし、しゃべれるし、一緒に遊べるし、ほぼ変わらない。私たちが普段使っている言葉が悪影響にならないかとか考えたり、すごい緊張したけれど、実際に行ってみると難しくかまえる必要はないんだなって思いました。

—2年生では、『福井県学校新聞コンクール』で2位にあたる優秀賞を受賞されましたね。
鈴木:『福井県学校新聞コンクール』では、1年間に作った学校新聞をまとめて出して、それ全体を評価してもらいます。私たちの受賞理由は、コロナ禍で発行部数が減るなか、休校中も新聞を発行していたことと、編集後記の『たまゆら』が評価されました。学校新聞の査定をするときに福井新聞社の方に来てもらい、新聞の書き方とかを教えてもらったんですが、すごく参考になりました。

齋藤:授賞式で審査員長から講評をもらうんですけど、そこでも『たまゆら』が良かったと言われました。アドバイスとして「ときどき時事問題とかのニュースを取り入れた方がいい」というのがあって、それは自分たちも思うところがありました。

—コロナ禍での休校中でも活動をされていたのですね。
鈴木:毎月ではなかったと思うけど、けっこう号外とか縮小して出したりしていました。内容は、学校のニュースという感じじゃなく、桜の話とかのせたりしていました。

齋藤:休校中は、メールで原稿を書いて先生に送ったりしていました。

鈴木:今回の優秀賞受賞で、夏に和歌山県で開かれる総文の出場権を獲得したんですが、今年度はコロナ禍の影響でオンライン開催だったので、実際、和歌山で活動できるかはまだわからない感じです。

 齋藤:通常であれば、出場される全国の学校の皆さんと一緒に活動する機会がもらえて、グループを作って和歌山を取材し、2泊3日で記事を作ることになると思います。

—今、若者の新聞離れが問題になっていますが、そのことについてどう感じていますか。
鈴木:新聞同好会を発足するとき、「北高の先生にも、皆さんにも、読んでもらえるようなおもしろい新聞を作りたい」という目標を立てたんですけど、そこには若者が新聞離れしている中で、みんなの目に留まるようなものになればという気持ちがあります。実際、クラスの友達から「学校新聞、読んでるよ」って言われるときがあります。

齋藤:私は小学生のときから、朝ちゃんと新聞に目を通すおじさんみたいにずっと新聞を読む変な子だったので(苦笑)、新聞離れとは違うんですけれど…。ただ、学校新聞は、発行すると生徒や先生から感想をもらえたり、『たまゆら』に関しては先生方がほめてくださったりして、やりがいは感じています。

—発足時は2人だった新聞同好会も、今は全部で7人いるそうですね。
齋藤:1年生の後輩は、女子2人が北陸中学からの内進生で、男子3人が進学コースです。学年ごとに制作しているので一緒に活動することはあまりないんですけど、女子の後輩たちはバスケ部の部長にインタビューに行ったり、すごい熱心に頑張ってくれていて、もう引退できる心持ちでいます(笑)。

鈴木:実は、まだ男子部員には直接会ったことがないんです(苦笑)。以前あった他校との交流会には1年生の男子は参加しなくて、そのときに「男子が入って増えたよー」って1年女子から聞いて、「いつの間に!?」って。今までは学年別で新聞制作をやってきたんですけど、今後は交流していきたいです。

—学校新聞の制作で得たことや、これからやってみたいことはありますか。
鈴木:もともと文章を書くのは嫌いじゃないけど、新聞を作るのは意外と大変。だけど、楽しいし、ためになるし、これが何か将来の役に立てばいいなと思っています。やってみたいのは、まずは部内の学年交流かな(笑)。それと、北高は規模が大きいので難しいんですけど、生徒アンケートもやれたらいいなと思います。発行部数も月2回くらいに増やしたいし、体験やレポートもやってみたいです。

齋藤:校長先生にインタビューをしたり、他校の新聞部の人と交流したり、新聞部に入ったことでいろんな経験をさせてもらっているなと思います。今後は、『福井県学校新聞コンクール』のときのアドバイスを活かし、『たまゆら』にも時事問題や世の中の出来事を入れていきたい。自分の思考実験とか、コロナなど世間の関心があって自分も興味があったりすることや、こういう内容があるといいなと思うものを取り入れるようにしています。

—新聞制作に興味をもったきっかけは、やはり北陸中学での経験が大きいですか?
鈴木:北陸中学では、毎日の「新聞見出し」、夏休みの「壁新聞」の作成、冬休みのひとつのテーマについて記事を切り抜いて集める「新聞切り抜き作品コンクール」への出品とかがありました。
夏休みの壁新聞はけっこう好きでしたね。1年は歴史がテーマだったので「楽器の歴史」、2年は地理で「南極」、3年は「フェアトレード」を取り上げました。私は凝り性みたいなところがあって、壁新聞だけめっちゃずっと頑張って、他の夏休みの宿題とかは残り3日でやってました(苦笑)

齋藤:私は新聞は読むんですけど、書くって言う作業が面倒くさかった(苦笑)。新聞同好会で参加した『新聞切り抜き作品コンクール』はふたりでも大変だったんだから、1人でやるのはなおさら大変でした。ただ、クラスのみんなの作品は、デザインや色も凝っていて勉強になりました。上手な友達や先輩の作品を参考にしながら3年間作り続けるので、みんなどんどんレベルアップしていくんです。

—そもそも、おふたりが北陸中学を選んだ理由はなんですか。
鈴木:地元で中学受験をしたいのが、最初にありました。そこから北陸中学を見学して、第一印象で図書館が大きくて充実しているのがいいなと思ったからです。後は、ニュージーランドへの語学研修です。

齋藤:私も中学受験をするつもりでいて、北陸中学にいた知り合いの先輩が楽しそうだったのが大きいです。それに、ニュージーランド語学研修もあったし、中高一貫っていうのも良かったです。あと、北中生が、校内を案内してくれるのも良かったです。

—ニュージーランド語学研修はどうでしたか?
齋藤:ニュージーランドの語学研修では、ふたりとも実行委員だったので大変でした。パフォーマンスをみんなに教える前に自分たちで踊る練習をしてとか、大変だったね。

鈴木:そう。さよならパーティーや老人ホームの訪問とかあるんですけど、何をするかとか段取りとかを実行委員で決めることが多く、大変なこと、楽しいこと、学んだことが、3分の1ずつみたいな感じでした。齋藤さんとはそのときも一緒だったけど、その頃はここまで仲良くはなかったんだよね。

—北陸中学での友達や先生との交流はどうでしたか。
鈴木:クラスの雰囲気は個性が強いっていうか、みんなそれぞれ良いところも悪いところもある感じです。

齋藤:クラスの友達とは家族と同じぐらい一緒に時間を過ごしているので、仲間よりもっと近い兄弟みたいな感じですね。

 鈴木:北陸中学で担任だった田上先生は新聞部のサポートをしてくれているので、今も1週間に2回位は会っています。

—将来の夢を教えてください。
鈴木:文学部に進学し、将来は出版社とか本に関われる職業につきたいです。母は「新聞記者になったら?」ってよく言うんですけど、私としては新聞にこだわってるわけではないかな。とにかく活字が好きで、北陸中学に入ったのも図書館がいいなと思ったからだし、大きな図書館で働いてもみたいです。

齋藤:私も活字が好きで、文学部に進みたいと思っています。最近は電子書籍もあるけど、それより紙の本が好き。新聞や紙の本の方が重みがあって、頭に入ってくる感じがします。将来はまだ決めてないんですけれど、出版業界など文字を作る側というか、本に関わる仕事がしたいです。正直、出版業界は厳しいけど、AIにできないことを見つめていくと需要はあると思います。

—未来の後輩に、メッセージもしくはアドバイスをお願いします。
鈴木:北陸中学は中高一環で受験がないので、高校進学するにあたってのストレスがないです。春から北陸中学に入学する妹にも言ったんですけど、北高は自分がやりたいと思ったこととか、したいと思ったことを後押ししてくれる環境が整ってると思うし、いろんなことを始めるきっかけをくれます。

齋藤:北陸中学は少人数制なので、先生が生徒一人ひとりをちゃんと見てくれて、勉強とか悩みごとの相談もしっかり聞いてくれます。あと、他校より人数が少ないので、生徒会やコンクールなど活躍の幅が自然と広がります。高校生と一緒に活動できる北紫祭やイベントもいっぱいあって、“home”のような雰囲気があります。

鈴木:“at school”なんだけど“at home”な感じがあるよね。私たちも学校見学に行ったことが大きかったので、今もし中学選びで悩んでいるならぜひ一度見学に来てみてください。

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