夢を抱け北陸中で見つける夢、広がる未来。在校生インタビュー
vol.06 『トビタテ!留学JAPAN』で
セブ島貧困地域の子どもたちと
交流して、感じたこと。

北陸高校 内進クラス

2年 浦井 ひより

北陸高校 内進クラス

2年 浦井 ひより

—『トビタテ!留学JAPAN』に応募した経緯を教えてください。
北陸中のニュージーランド語学研修で初めて海外に行ってすぐ、もっと世界のいろんなところを見たいと思っていたときに、『トビタテ!留学JAPAN』の広告を見て知りました。留学という言葉にひかれて調べてみたら、奨学金が出ること、事前研修や事後研修とかあって留学をブラッシュアップしてくれること、全国から強い意思を持った方が参加するということなどがわかり、「絶対受けよう!」と決めました。応募期間が秋から冬までだったので、高校1年の2月に応募しました。

将来は国際ボランティアNGOのスタッフとして働きたいと思っていて、実際のNGOがどのようなものか見たかったのも理由のひとつです。

—どのような留学計画を立てたのですか?
自分の行きたいところを選べるので、候補となる留学エージェントの中からセブ島を探して選びました。セブ島はリゾート地のイメージが強いけど、インターネットでセブ島のスラム街とかストリートチルドレンの写真を見て、その貧富の差が生まれてくるのがすごく気になり、行ってみたいと思っていました。
子どもが好きなので、子どもといっぱい交流できる内容の留学エージェントを選びました。

—応募から留学までの流れを教えてください。
まず、留学の理由や具体的になにをしたいかという書類審査があって、それに合格したら、大学の教授や奨学金を出してくださる企業の方の面接があります。北陸中の先生に留学の書類を見てもらい、「自分の体験とかを入れた方が良いよ」とアドバイスをいただいたので、その意見も反映させて書類をつくりました。授業や部活などで毎日時間がなくて、申し込みはギリギリでしたね。

面接では、いろんなことを詳しく聞かれました。「あなたの学校について話してください」と聞かれて話をしたら、『本当に学校が好きなんですね』って言われたのがすごくうれしかったです。

最終的に合格通知が来たのは、5月中旬頃です。安心して母に電話をしたら、「落ちると思ってた」って言われました(笑)。倍率が3倍と高く、私も正直自信がなくて「まさか自分が」と思いました。福井県からは、私を含めて4人が合格しました。

—留学の内容について教えてください。
留学期間は、7月27日から8月16日の約3週間です。
主に、セブ島のスラム街や孤児院に行き、そこの子どもたちと交流しました。セブ島の留学への参加者は、北海道から沖縄まで全国から集まった高校生15人位で、みんなと一緒にエージェントが用意してくれたホテルに滞在しました。
毎日スケジュールが決まっていて、毎週月曜と金曜は現地にあるドイツのNGO団体の方たちがスラム街で食事を提供するお手伝いをしました。あとは、現地の小学校を訪問したり、孤児院や保育園を訪ねたりもしました。

—現地の様子や子どもたちとの交流はどうでしたか。
リゾート地なので、観光客がいる場所はキレイなんです。でも、子どもたちに会いに奥の方に入っていくとスラム街に変わっていき、ゴミがあふれて匂いもひどく、良い環境とは言えなかったですね。
現地では、子どもたちと一緒に、日本の遊びを伝えるためにもっていった折り紙やシャボン玉、風船遊びなどをしました。アルプス一万尺とかの手遊びをやったら、現地によく似た手遊びがあって、逆にそれを教えてもらったりもしました。

子どもたちは「名前なに?」「何才なの?」「どこから来たの?」など、私たちに興味津々でいろいろ聞いてきました。日本語を少し知ってるみたいで、「こんにちは」「ありがとう」も言ってくれました。

—セブ島で一番印象に残ったことはなんですか。
一番ショックだったのは、ゴミ山です。運ばれてくるゴミがたくさん積み上がっていて、子どもたちはそこにビーチサンダルで登っていって、資源になりそうなものを探すんです。衛生環境はとても悪いと思います。たまに裸足の子どももいて…。そんな現実を実際に自分の目で見て、いろいろなことを感じました。

エージェントの方からセブ島の格差の理由を聞いて、初めてわかったことがあります。そこからもっと疑問も生まれて、貧困の生活を強いられている子どもに改善する見込みがそんなに見られなくて、これからどうやって改善していったらいいんだろうって思いました。

—そもそも、子どもの貧困に興味をもったきっかけは?
北陸中で、アフリカのルワンダでの内戦時の地雷で足を失った人たちのために義足をつくっている人の講演会があったんです。そのとき私は2年生で、内戦の様子や今も続いている貧困の話を聞いて、大変興味深く思いました。

—北陸中を選んだ理由はなんですか。
パンフレットに、ニュージーランド語学研修がのっていて、すごく楽しそうだなと思ったんです。そのときはまだ将来の夢が決まっていなかったんだけど、「北陸中だったら、将来の夢が見つかるだろう」と思ったのが、選んだ理由でした。
ニュージーランドの研修では、子どもたちに「普段なにをして遊んでるか」とか「将来の夢はなにか」などを聞いたりしました。そのときの答えがおもしろくて、今回のセブ島でも、子どもたちに同じ質問をしてみよう、積極的に英語で話をしようと思いました。

—北陸中での学びはどうでしたか。
授業が7限まであるし、最初は大変だなぁと思いました(笑)。でも、英語の授業が楽しくて、北陸中に入ってから英語が好きになりました。セブ島でも英語で会話をしていたんですけど、少し聞き取れなかったり、わからない単語があったので、もっと英語を勉強したいです。

私はもともと、人と話をするのが得意じゃなく、初対面の相手とは目を合わせるのも苦手でした。自分の意見やアイデアは持っていても、言葉にするのが難しくて…。けれど、北陸中で何回もディスカッションやプレゼンの授業をするうちに、だんだん自分の考えを口に出せるようになりました。これからも、もっと積極的に話ができるようになりたいです。

—浦井さんから見た、北陸中の魅力を教えてください。
いろんな可能性が広がって、自分の人生が変わる出来事に出会えるかもしれないところです。公立の中学校に行っていたら、きっとセブ島に留学はしていなかったと思います。

—これからの目標を教えてください。
国際関係学部のある大学に入って、もっと専門的なことを勉強したいです。大学では、もう1回留学してみたいですね。またセブ島にも行きたいけど、世界のいろんなところへ行って見てみたい。特に、アフリカや南米など、アジアと他の地域の貧困の違いとかも気になっています。

将来は、NGOなど国際ボランティアのスタッフとして働くのが夢です。セブ島の留学でNGOの活動に参加して、「やっぱり自分はこういう仕事がしたい」って改めて思いました。NGOにも、子どもや環境、設備などいろんな改善をする分野があるんですが、留学で子どもたちの笑顔を見て、自分は子どもと関わっていくことがやりたいなと思いました。

PROFILE
文部科学省の官民協働海外留学支援制度〜『トビタテ!留学JAPAN』日本代表プログラムに応募し、3倍を超える倍率を突破して採用される。2017年7〜8月にわたり、フィリピンのセブ島に留学。硬式テニス部所属。

『トビタテ!留学JAPAN』とは 「意欲と能力ある全ての日本の若者に留学機会を与えること」を目的に、2013年10月より、文部科学省初の官民協働プロジェクトとして開始された留学支援プログラム。2020年までの7年間で約1万人の高校生、大学生を派遣留学生として送り出す計画。

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